Goodmorning my sweet

今朝珍しく早く学校に着いたオレは、2階の窓から朝の空を見る。 今朝は朝練がなくってゆっくり寝ていられたのに、習慣とはおそろ しい。
しかし空はきれいだ。
通常の登校時間が近づいてきて、泉と浜田が一緒に登校してくるの を見た。 そういえば耳元で洋楽が鳴っている。今朝はBSB(栄口も好きだって 言ってたっけ)
ぼんやりとした頭のままオレは教室の窓から2人を見下ろしている。 2人はなにやら仲良さそうに(そりゃ同小同中だし)(家だって近い らしいし)話していたけれど、ふと浜田の方が少しかがんで(あいつ は泉より随分でかいしなあ)何事か耳元で言う。すると泉はオレがこ の3ヶ月で見たこともないような顔をして、浜田に思い切りのいいエ ルボーを食らわせていた(痛そうだなあ)(あんな顔もすんのか泉って) (あいつ黙ってりゃかわいいのにいっつも口悪いよなあ)(顔真っ赤だった)
ところで浜田はなんて言ったんだろう。

耳元の音楽が遠ざかって初めてヘッドフォンが取り上げられたことに 気が付いた。振り向くと我が部の副主将がいつもの笑顔で言う。
「おはよう、水谷」
ああ今日もよい1日を。

(05820)


Baby,Tonight

今日は来ないの、なんて簡単に言うから悔しくて無言で蹴った。
わかってんのかな、毎度のことながら攻撃する側だっていてーんだよいい加減気 づけ。
アホの浜田はオレがいたいこともどうしようもなくお前のことが好きなことも 全く気づかない。
もし気づいてんだったらあいつは天性のマゾだきっとそう、別れ際蹴られたこと なんかまるで気にする素振りもないような、電話の声。
もし浜田が真性のマゾならばそんなあいつをすきになったオレがかわいそう過ぎ るので、やめてほしいけれど、それでも、
『いーずみ』
耳元で鳴るこの機械越しの声にだってめろめろなんです。
あーもうだめなんだな、だったら今夜、この秘密を打ち明けようか。




(05823)